GREEN BUSINESS: 環境をよくして稼ぐ。その発想とスキル。慶應義塾大学 熱血講義 「環境ビジネスデザイン論」再現版
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シラバス(あらまし)
ビジネスがなぜ環境を壊すのか、を説明し、壊さないようなビジネスの原理(ハーマンデイリーの3原則)を簡単に説明。しかし、原理に沿ったビジネスをビジネスとして行うことが難しいことに関して、なんちゃっての環境ビジネスの具体的失敗例(建築偽装など)を説明し、環境ビジネスが決してやさしいものでないことを訴求。 第2課 環境ビジネスの共通技法、その基礎の基礎
環境に良いビジネスの共通技術として、まずマテ・バラを説明。この見取り図の中で、投入する資源を減らす、普通の物質を使う、ごみを出さない、出たごみの有効利用、長寿命の設計などの、いわゆるクリーナー・プロダクションを行うことがエコなビジネスになる基礎であることを説明する。また、次善の策としてのパイプエンド技術も説明。さらに、技術のシーズだけに着目するサプライサイドだけでなく、ニーズ、すなわち世の中の困った、に対応するディマンドサイドの視点の大切さを指摘。両サイドを股にかけた発想として、CSV経営塾での成功例を紹介。CSV、SDGsによるWin-Winの解決法に触れ、国全体、世界全体で見ると、環境のためにお金を皆が使うことが経済の成長になるというマクロの視点を説明。さらに、完成形の(しかし未実現の)実例を紹介して基礎的技法の集大成とする。
第3課 ビジネスと環境政策との間に良い関係を作る
環境法を、大きく規制法、助成法、そして回復法という3種に区分して、環境法を自分のビジネスの味方として使っていくためのコツを説明する。環境法をビジネスの味方として使いこなすことを訴える。
中間試験
基礎的な用語の意味などを確認して、これまでの学びを復習する。
第4課 すべての会社のソリューション、企業内環境起業をしよう
今や、弱肉強食の儲け本位のビジネスモデルは廃れつつある。既存の企業自体がいわば社会の公器として社会的課題の解決に貢献していくことが、特に投資家から求められている。このため多くの企業で、新ビジネス開発の動きが盛んになっていて、その一つの大きな題目が環境ビジネスである。既存企業の資源を活用して環境ビジネスに取り組む場合のコツ、そしてメリット・デメリットを説明する。
第5課 グリーン・スタートアップとして想いをカタチにする
社内で環境ビジネスに取り組むケースと比較しつつ、自分が起業家となって新ビジネスを組み立てるケースを詳しく考察する。自ら起業する場合は、イノベーティブなアイデアに忠実に行動できる利点がある一方、多くの落とし穴や困難もある。資金調達への取り組み方を始めとして、ビジネスの発展のさせ方を具体例を多く用いて説明する。
休憩 OG・OB訪問
吉高の講義を受講して修了した元院生、そして小林のゼミを卒業して現場で環境ビジネスに取り組む人など、OG・OBの今を紹介して、良いビジネスの実行には、どのような学びが必要かを考える。
第6課 事業の拡大、投資家や金融機関とのよいお付き合い
環境ビジネスを成功させ、大きく育て、世の中を良いものに変えていくためには、大きな資金の動員が欠かせない。金融機関や投資家が安心して資金を投じられるようになるビジネスの作り込みを論じるとともに、ビジネスの現状、将来に関するプレゼンテーションの仕方を説明する。賃借対照表などの効果的な使い方など、実践的なヒントを示す。他方で、債券の環境的な健全性が強く求められる金融機関が置かれている立ち位置の最近の変化も詳細に解説し、使い手と出し手とのあいだに建設的な関係が築けるような配慮について紹介する。
第7課 世界の動きと、小林、吉高が見立てる、ビジネスのこれからの狙い目
地球環境が壊れていく問題について、地球温暖化、生物多様性、海洋のプラスチック汚染、そしてSDGsの実現という四つの切り口を取り上げ、今後に期待されるビジネス像を展望する。
最終試験